"いつまでいるの?"
"3月まで。"
"次は何処に?"
"1度メルボルンに帰って1年位金を稼いで、今度はパリに行くつもり。"
"メルボルンは金になる。
ただ、僕にとっては退屈なんだ。"
"この豆腐のパッケージを見せてよ。"
"何処にでもある豆腐だよ"
"え、チーズとか入ってないの?"
"料理の敵は水分だよ。
ハンバーガーのパティも同じ。"
"他の店のはふにゃふにゃですぐ食い終わる。"
顔を見合わせて笑った。
高校生以下の笑顔で、中学生並みの単語だけ。
彼ももうすぐこの土地を後にする。
それでいいんだ。
何処の人でもない。何処にルーツを持つわけでもない。
"良い週末を。"
"フリーランスなんて毎日がホリデーだよ。"
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