"エールは何がありますか?"
"BassとBrewdog あとはカリフォルニアのがいくつか"
"Bassは嫌いだ"
"じゃあPunk IPAで"
その爺さんは包まれた紙を使わないで何一つこぼさずにハンバーガーを食べた。
"来週デトロイトに行きます"
"仕事ですか?"
"乗換えです。デトロイトにはアメリカで1番アラブ人が集まっていて、そのレストランが美味しいから5時間は充分に過ごせます"
南部の3万人程度の田舎町出身で、高校の同窓会。
お土産はゼブラのボールペンが喜ばれるそうだ。
"小切手を切るときに日本製のボールペンは素晴らしい"
カーボン複写には、万年筆より筆圧のかかるボールペン。
"アイゼンハワーが軍隊経験から今のアメリカの道路インフラを整備した"
"南部では未だに宗教的に日曜日は酒の販売がされない、銃の方が簡単に手に入ります"
アメリカだろうと日本だろうと、年寄りは人の話を聞かない。だから僕は小一時間ただ、聞いた。
"名刺はありますか?来週友達が来ます"
爺さんのの名刺には
"Life is too short to make anyone's hour bitter"
と添えられていた。
"意味わかりますか?"
"わかりません"
僕は戯けて大げさに答えたら、彼は笑って席を立った。
雨が降ってきた。サバスの似合う日曜日、ハンバーガーの国の爺さんの皿には、肉汁の一滴もこぼれていなかった。
"Nice to meet you,see you soon"
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